座位姿勢によるシットスキーの開発は1976年に遡る。
「脊髄損傷者が座ったままでスキーを滑れるようにするにはどうすればいいか」という観点から試行錯誤が繰り返され、1980年に最初のモデルが完成した。
しかし、当初は起伏の少ない限られたコンディションの中でしか滑れず、小回りも利かないなど、競技に使用できる代物ではなかったという。
やがて幾度となく改良が施され、ショックアブソーバーやサスペンション機能を付加した競技用シットスキーが誕生。
選手たちの技術の向上に合わせて、より高度な滑走に対応できるよう、現在も開発が続けられている。
ちなみに、アルペンシットスキーが冬季パラリンピックの正式種目に採用されたのは、第4回冬季パラリンピック(1988年、オーストリア、インスブルック)から。
この時、回転と大回転の2種目が実施され、第5回冬季パラリンピック(1992年、フランス、アルベールビル・ティーニュ)の際にスーパー大回転と滑降の2種目が加わり、以降4種目の競技が正式に行われるようになった。
パラリンピックでは正式採用されていないものの、2004年のワールドカップでスプリント競技が新たに設定されるなど、ギアの進歩や競技人口の増加によって、今後もさらなる広がりが期待されているスポーツのひとつである。
一般的にパラリンピックは、視覚障害者と肢体に関する障害者が参加している。
スキー競技の場合、選手は障害の種類や度合いによってカテゴリー分けされて競技を行うが、同一グループであっても障害の種類や度合いによって結果に差異が生じるため、各選手にはクラスごとに設定された係数(%)があり、滑走タイムに係数を掛けた計算タイムによって勝敗が決するしくみが採られている。
競技種目としては、アルペンでは回転(SL)、大回転(GS)の回転系種目と、スーパー大回転(SG)、滑降(DH)のスピード系種目があり、ノルディックはクロスカントリーとバイアスロンの2種目で、ジャンプ競技は行われていない。
アルペン各競技種目のコースおよび旗門設定条件は、いずれもノーマルスキーに近く、滑降競技では最高時速100kmを超える記録が出ることもある。
また、ルールについてもほぼノーマルスキーと同様である。
一方、クロスカントリーシットスキーは距離で種目が定められている。
2.5km(女子)、5km(男子、女子)、10km(男子、女子)、15km(男子)。このほか、男子には3×2.5kmのリレーがある。